ロレックス【3大発明】ハンス・ウイルスドルフの手腕

  • ロレックス3大発明ってなに?
  • なんで、みんなロレックスなの?
  • ロレックスの凄さってデザイン?
  • ロレックスの時計って性能はどうなの?

こんな疑問をお持ちの方に、時代背景と共に、ロレックスの3大発明と創業者「ハンス・ウイルスドルフ」をご紹介します。

ロレックス【3大発明】ハンス・ウイルスドルフの手腕

ロレックスの凄さとは、筆者は次の2点だと思っています。

1.ハンス・ウイルスドルフの先見性ビジネスセンス
2.財団法人 ロレックス

▲ Rolex
ロレックスは他の腕時計ブランドと比べると、比較的新しいブランドと言えます。
その歴史は、1905年ロンドンで、時計商社としてスタートしました。
創業者は、ドイツ人「ハンス・ウイルスドルフ」。
1881年、ドイツ、バイエルンに生まれ。
実業家一家に生まれたウイルスドルフは、数年時計関連会社で勤務した後、時計専門商を創立し、1908年、「Rolex」を商標登録します。ちなみに、「Rolex」という、ブランド名は、「ロンドンのシティで乗合馬車の2階席に座り、チープサイドを走行している時、天啓のように『Rolex』という名前がひらめいた」ものだそうです。

当時は、腕時計の黎明期でした。
それまで主流であった、懐中時計を腕に着ける人が現れ始めます。
しかし、あくまで中身は懐中時計であるため、厳しい使用環境となる腕時計としては、実用性がまだまだ不十分でした。
なぜなら、懐中時計は外に持ち歩くとはいえ、ポケットの中で、あまり姿勢を変えずに大事に保管される高級品でした。
しかし腕時計となると、腕に着けることにより雨風衝撃等にさらされ、逐次その姿勢を変えるため、様々な姿勢での精度も要求されるようになったからです。

▲ Rolex

そんな腕時計の将来性に目を付けた「ハンス・ウイルスドルフ」は、腕時計の実用性を向上させ普及させることにするのです。

まず取り組んだのは、その精度向上でした。
ムーブメントの品質向上、精度向上に力を注ぎ、ついに1910年、イギリス・キュー天文台の「A級」精度証明書を取得するのです。
それは、時計の性能証明として当時最も権威あるものでした。

しかし、どんなに精度のいい時計も、ほこりに常に晒されては、ひとたまりもありません。
精度の高い時計を守るための堅牢な時計ケースを開発する必要があったのです。。。

ロレックスは営利企業ですが、「ハンス・ウィルスドルフ財団」という基金をベースにしている財団法人です。
そのため、実態を公にする義務がなく、ゆえに、その神秘性が、ブランドイメージの向上にもつながっているように感じます。
隠されると、見たくなる。人間の心理をうまく利用しているのかもしれません。

1. オイスターケース

1926年に開発された、防水性能を備えた腕時計用ケースです。

当時、腕時計はまだまだ普及し始めたばかりで精度は低く、実用性に乏しいものでした。
時計の精度向上に成功したロレックスは、実用性の向上に注力します。
その為にまず必要だったのは、日常生活に耐えうる防水ケースでした。

▲ Rolex
1922年、ロレックスは初の防水・防塵腕時計、「サブマリン」を製造します。
しかし、そのケースは時計本体を外側から2重のケースで保護するもので、時計のゼンマイを巻くたびに外側のケースを開けなくてはならないという、実用性にはまだ遠いものでした。
そこから、ロレックスは今となっては当たり前の、スクリュー式裏蓋・ベゼルと、ねじ込み式リューズという、2つの大きな技術革新で、ついに1926年、オイスターケースという完全防水ケースの開発に成功したのです。
ロレックスは、このオイスターケースのビジネス展開も巧みでした。
すぐにこのケース技術の特許を取得。
ショーウィンドウに、水槽を置き、金魚と一緒にこのオイスターケースを纏った時計を入れました。
また1927年、イギリス人女性として初めてドーバー海峡を泳いで横断した、メルセデス・グライツ。
その腕にはこのオイスターケースがありました。
この偉業達成と共に、オイスターケースは、ロレックスの世界初 防水腕時計として世に認知されていったのです。
▲ Rolex

時を経て1950年代、ロレックスの象徴的な新モデル、「サブマリーナー」で300m防水、その後「ディープシー」で3900m防水とロレックスの冒険という名のあくなき挑戦はまだまだ続いています。

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2. パーペチュアル

1931年に開発された、機械式腕時計の自動巻き上げ機能です。
昨今、パーペチュアルと言えば、パーペチュアルカレンダーを思い浮かべますが、こちらのパーペチュアルは自動巻き機構の事です。

自動巻き機構の考案は遠くさかのぼり、懐中時計用に考案されたものでした。
その起源は1770年代、スイスの時計師アブラアン-ルイ・ペルレにより考案されたものとされています。
しかし、姿勢があまり変わらない懐中時計において、その構造はあまり有効とは言えず、目覚ましい発展は見られませんでした。
その後、懐中時計から腕時計へと進化を遂げようとしていた当時、腕に着けることにより姿勢を大きく変えるようになった腕時計において、その構造の有用性が再注目されます。

1926年、ロレックスに先立って、イギリスの時計修理工 ジョン・ハーウッド考案のセンターローターの半回転自動巻き機構フォルティス社から発表されます。
しかし、これも巻き上げ効率や衝撃、耐久性などの点で十分に実用性にたるものではありませんでした。
ロレックスはさらなる巻き上げ効率の向上を図るため、全回転式自動巻き機構を開発。
これが「パーペチュアル」とよばれ、それまでの自動巻き機構の問題点であった、巻き上げ効率の向上に成功しました。
▲ Rolex

そしてCal.1030では、世界初の両方向巻上げ式、その後、2つの大径リバーシングホイールアルマイト硬化加工等、さらなる改良進化を続けています。

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3. デイトジャスト

1945年に開発された、午前0時に瞬時に日付けが切り替わる機能です。

日付表示と言えば、午前0時のかなり前から徐々に時間をかけて替わりますが、このデイトジャスト機構は、それが瞬時に切り替わります。

▲ Rolex
この機構は、ハンス・ウイルスドルフが、’「カメラのシャッターは1/10秒でも動く。カメラも腕時計も同じ機械だから、カメラのシャッターのように瞬間的に日付けを切り替えられる機構を作りたい」と、技術者に提案したことから開発が始まった’と言われています。
ご存じの通り、ほんとにシャッター音のような「パシャ」という音と共に、瞬時に切り替わるこの機構は、時計を触っていても小気味良さを感じます。

こうして開発されたデイトジャスト機構は、「オイスター・パーペチュアル・デイトジャスト」という3大発明を集約したモデルを生みました。

このモデルは、「ウィンストン・チャーチル」、「ドワイト・D・アイゼンハワー」や「マーティン・ルーサー・キング」といった偉大な人物にも愛用されます。

さらに、レディース、ボーイズサイズの展開もあることから、世界的に愛されており、ロレックスの中で最も所有率が高いモデルとなって今も人気を集めています。

▲ Rolex

まとめ

いかがでしたでしょうか。
どれも今となっては一般的な機構になりました。

比較的新しいブランドが、数々の開発とビジネス感覚で、「世界で最も高評価の企業ランキング」で連続1位を取る意味が少しわかった気がしませんか。

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