- ブロンズウォッチのデメリットは?
- 世界に1本だけの時計が欲しい。
- おすすめのブロンズウォッチが知りたい。
- ブロンズウォッチが汚くなるってホント?
こんな方のために、時計修理師が、忖度なしに、ブロンズ ダイバーズウォッチ 8 選をご紹介。
時計ケースの素材ってどんなものがあるの? 結局どれが一番硬い素材? 軽いケースを選ぶなら。 あの新素材って、ぶっちゃけどうなんだろう。 金属アレルギーにも安心な材質はどれ?こんな疑問をお持ちの方のため[…]
- 1 経年変化を楽しむ【ブロンズ】ダイバーズウォッチ 8 選 ~エイジングの楽しみ方~
- 1.1 【ブロンズ】ダイバーズウォッチ 8 選
- 1.1.1 ① PANERAI 「Luminor Submersible 1950 3 Days Automatic Bronzo」Ref. PAM00671
- 1.1.2 ② PANERAI 「Radiomir Bronzo」Ref. PAM00760
- 1.1.3 ③ TUDOR「BLACK BAY BRONZE」Ref. M79250BA-0001
- 1.1.4 ④ IWC「AQUATIMER CHRONOGRAPH EDITION “EXPEDITION CHARLES DARWIN”」Ref. IW379503
- 1.1.5 ⑤ BREITLING「SUPEROCEAN AUTOMATIC 42」Ref. N17375201L1S1
- 1.1.6 ⑥ Sinn「T50.GOLDBRONZE」
- 1.1.7 ⑦ Oris「DIVERS SIXTY-FIVE DATE」Ref. 01 733 7771 3154-07 8 19 15
- 1.1.8 ⑧ Bell & Ross「BR 03-92 DIVER WHITE BRONZE」Ref. BR0392-D-WH-BR/SCA
- 1.2 ブロンズ時計のお手入れ
- 1.3 ブロンズ時計のデメリットと注意点
- 1.1 【ブロンズ】ダイバーズウォッチ 8 選
- 2 まとめ
経年変化を楽しむ【ブロンズ】ダイバーズウォッチ 8 選 ~エイジングの楽しみ方~
表面の酸化により、その表情を時々刻々と変化させるブロンズ時計。
自分独自の経年変化で、世界に一つだけのオリジナル時計を楽しめると、ここ数年人気を博しています。
また、その変化の過程も、ヴィンテージジーンズやアンティーク家具のように楽しむことができるのも人気の理由。
一方で、人によっては予想以上の変化を起こして、「こんなはずじゃなかった」となることも。
デメリットやお手入れ方法をきちっと理解した上で、選ぶことが大切です。
【ブロンズ】ダイバーズウォッチ 8 選
① PANERAI 「Luminor Submersible 1950 3 Days Automatic Bronzo」Ref. PAM00671
デカ厚ブームの火付け役「パネライ」が、2011年、他ブランドに先駆けて発表した、ブロンズモデル「PAM00382」。
新たなブームを作りました。
加工が容易ながら、やわらかく、変色しやすいことから、装飾品には不向きとされてきたブロンズ。
しかし、逆にそれを味と感じる人に向けて、育てる楽しみや、唯一無二の時計を得ることが出来る特別感に舵を切った着目点に脱帽です。
こちらはパネライが、ブロンズモデルの第三弾として、初めてブルーダイヤルを採用したモデル。
ムーブメントを自社製 自動巻きムーブメント、Cal.9010に変更することで、第1弾、第2弾に比べ1.9mm薄くなり、着けやすくなりました。
デカ厚ダイバーとブロンズの絶妙なコラボレーションで、ブームを引きを越したのも納得の逸品。
やっぱり47mmは大きすぎる、という方は 「PAM01074」(42mm) をチェック。
② PANERAI 「Radiomir Bronzo」Ref. PAM00760
2022年、パネライが満を持して、サブマーシブル以外のモデルにブロンズ素材を採用したのがこちら。
手巻きムーブメントとプラスチック風防、クッション型ケースが、ブロンズによる絶妙なアンティーク感をさらに引き出します。
ブロンズは、金属アレルギーの方に要注意の素材ですが、パネライのブロンズモデルでは、ケースバックにチタンを採用。
肌に触れる部分をケアすることで、変色や酸化のしすぎにも配慮されています。
③ TUDOR「BLACK BAY BRONZE」Ref. M79250BA-0001
ブロンズブームの火付け役として一翼を担ったといわれる、チューダーのブロンズモデルです。
チューダーの初代ダイバーズウォッチである Ref.7922 のデザイン意匠を忠実に受け継いだ、ブラックベイシリーズ。
そのデザインがブロンズ素材と相まって、美しいパティーナ(※)を存分に楽しめます。
ダイヤルとベゼルの、スレートグレーと呼ばれる独特のグレーもグッとポイント。
ダイヤルに盾、リューズにチューダーローズ、時針に通称 ”イカ針” を纏います。
ムーブメントには自社キャリバーCal. MT5601、COSC認定も受けており、信頼性も〇。
※パティーナ(Patina) : 物質が色あせ、摩耗し、錆びるなどの経年変化した様子。日本語では、古色(こしょく)。
④ IWC「AQUATIMER CHRONOGRAPH EDITION “EXPEDITION CHARLES DARWIN”」Ref. IW379503
2014年、IWCにおいて根強い人気を誇る「アクアタイマー」のブロンズモデルが、「チャールズ・ダーウィン」(※)と当時の調査船に捧げるオマージュとして登場。
この独特のベゼルは、「セーフダイブ・システム付き機械式回転式アウター/インナーベゼル」と呼ばれ、アウターベゼルを回すことでインナーベゼルのメモリを合わせることができます。
そのため、アウターベゼルは両方向回転、インナーベゼルは反時計回りのみの逆回転防止機構となっています。
これにより、グローブを着用したまま、寒さで指が器用に動かないときでも操作しやすく、また設定時間が長くなるような誤操作が起こらないよう安全性が考慮されています。
ケース素材には、銅のほかにアルミニウムと鉄を含む、特有組成の「アルミニウムブロンズ」を採用。
”標準的なブロンズより約50%硬く、その硬度はステンレスステイールに匹敵”するとのことで、ブロンズのデメリットの一つ、傷つきやすさを克服しています。
※チャールズ・ダーウィン (1809年 – 1882年)
ダーウィンの進化論で知られる、イギリスの自然科学者。
種の形成理論を構築し進化生物学を発表し、全ての生物種が共通の祖先から長い時間をかけて、彼が自然選択と呼んだプロセスを通して進化したことを明らかにした。
1831年、英国艦船HMSビーグル号で出港し5年にわたる世界航海を行った。
⑤ BREITLING「SUPEROCEAN AUTOMATIC 42」Ref. N17375201L1S1
スキューバダイビングが大流行した1960年代、ミニマイズされたダイバーズウォッチで人気を博したスーパーオーシャン。
スローモーションとの愛称で愛された当時のデザインを踏襲した、自動巻きブロンズモデルがこちら。
ブロンズ素材には、耐腐食性に優れた特殊合金を使用。
シリコンやアルミニウムを配合し、さらにスズの配合率を上げた合金で、経年変化が緩やかになります。
一般的なブロンズではすぐに黒くなってしまうとか、変化の過程をもっと楽しみたいという方に特におすすめです。
また、裏ぶたを含む外装全体をブロンズ素材としているモデルは意外と少なく、ブロンズ素材にこだわりたい方にもおすすめ。
⑥ Sinn「T50.GOLDBRONZE」
▲ Sinn Spezialuhren GmbH
直径 41mmのケースに 500mの防水性能を備えた T50シリーズ。
ゴールドブロンズ125と、高強度チタンを各部に採用したモデルがラインナップされており、こちらはケースとベゼルにゴールドブロンズ125を使用した世界限定300本のモデルです。
ゴールドブロンズ125とは、Sinnが特許申請中の新素材で、ブロンズ合金に金を 12.5%含有した合金。
”海水に対する耐食性と肌への適合性を高めた素材”とのことです。
経年変化は、通常のブロンズに比べて緩やかで、黒くなりすぎを気にする方にもおすすめ。
また、ダイヤルは職人による手作業で施されたスクラッチ加工で、同じものは二つと生まれないため、ケースの経年変化と合わせて、世界で唯一の自分専用時計を楽しむことができます。
また、暗い海中での視認性を高めるため、2色の夜光塗料を使い分けられていたり、ベゼルを特殊結合方式で組み立てられていたりと、随所に機能性を高める独自技術と配慮がされているのもSinnの時計の魅力です。(長針、秒針、ベゼルのルミナスポイントがブルー)
※DNV について
生命・財産、環境の保護を企業理念に掲げ、ノルウェー・オスロに本部を置く自主独立財団として1864年に設立。第三者認証機関、オイル&ガス分野のリスクマネジメント、風力/電力送配電分野のエキスパート、船級協会を主とする世界有数のサービス・プロバイダー。
⑦ Oris「DIVERS SIXTY-FIVE DATE」Ref. 01 733 7771 3154-07 8 19 15
1965年に誕生したオリス初のダイバーズウォッチを彷彿とさせる、ダイバーズ65シリーズ。
黒文字盤上にゴールドで縁取られたインデックスと針、ブロンズカラーのロゴでヴィンテージの美しさを表現しながら、最新の製造技術も融合したコレクションとなっています。
サイズ 38mmと、ダイバーズウォッチとしては着けやすいサイズもうれしいところ。
ユニセックスでお楽しみいただけます。
オリス好きは「ビッグクラウン ブロンズ ポインターデイト」も要チェック。
⑧ Bell & Ross「BR 03-92 DIVER WHITE BRONZE」Ref. BR0392-D-WH-BR/SCA
1992年に設立された「Bell & Ross」。
本社はフランス・パリにあり、スイスのラ・ショー・ド・フォンに製造拠点を持ちます。
4つの基本原理「視認性」「機能性」「高精度」「信頼性」に則りこのアイコニックな時計達が作られています。
「BR03」はBell & Rossを世界ブランドに引き上げた「BR01」を 42mmケースにダウンサイジングした、今やベルロスの代表モデルとも言うべきシリーズです。
ケースにはブロンズ CuSn8 (銅 92 % と錫8 % )を採用。
存分にブロンズの経年変化を楽しめ、パールホワイトの文字盤がその個性を引き立てます。
個性的なデザインと、その経年変化をお楽しみください。
ブロンズ時計のお手入れ
ブロンズは、耐食性に優れた材料ですが、金属表面の酸化により色彩が大きく変化するため、経年変化(エイジング)が前提の素材です。
肌に触れればもちろん、空気に触れているだけで酸化していきます。
また、人それぞれ想定している、経年変化も様々。
何もせずに、理想通りの経年変化を期待するのは、少し難しいようです。
ですので、自分好みに仕上げ、育てるためには、少なからずお手入れが必要となります。
今回は、そんなブロンズ時計を所有されている方、購入を検討されている方のために、3つのケースに分けてお手入れ方法をご紹介します。
ケース1.様子を見ながら、ゆっくり経年変化を楽しむ。
用意するもの
・ブラシ (つまようじ・綿棒)
・柔らかい布
手順① ブラシや、つまようじ、綿棒などで隙間に入り込んだ汚れを取る。
手順② 時計全体を拭き上げる。
手順③ 湿気のなるべくない場所で保管する。
おすすめのブラシや布については下記の「メンテナンス」を参照下さい。
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明工舎「洗刷毛(白毛)」Ref. 21800
Heli「Heli watch cleaning cloth」Ref. 113027
ケース2.少し経年変化を戻したい。
どれくらい変化があるかには、個体差がかなりあります。
まったく、変化が起こらない場合もあります。
失敗を避けるため、少しづつ様子を見ながら、やってみることをオススメします。
なお、この作業には 5気圧以上の防水機能が必須です。
ご注意ください。
※万が一、時計内部が曇ったりしましたら、速やかに時計を引き上げ、水分を拭き取り、なるべく早く時計修理店で見てもらってください。
用意するもの
・重曹 (重炭酸ナトリウム) ※食用、医療用がベター
・クエン酸 (レモン汁で代用可)
・純水/脱塩水
・歯ブラシ
・柔らかい布
・綿棒
・ゴム手袋
・ばね棒外し (ストラップ外しのため必要に応じて)
製造元BERGEON商品番号6767-F (細Y先、細I先)6767-S (太Y先、太I先)6767-SF (太Y先、細Y先)材質Handle : stainless st[…]
手順① 時計のストラップを外す。
手順② 重曹、クエン酸、純水を混ぜて、ペースト状にする。
手順③ ①のペーストを酸化した部位に塗る。
手順④ しばらく放置する。
手順⑤ ペーストを柔らかい布や綿棒で拭き取る。
手順⑥ 変化が不十分な場合は、もう一度ペーストを塗るところから繰り返す。
手順⑦ 歯ブラシに純水を含ませながら、ペーストを除去する。
※可能な場合は、水洗いする。
注:防水が効いていても、なるべく流水を使うことは避け、純水を入れた容器に浸して、歯ブラシでゆっくり洗う。
手順⑧ 乾いた柔らかい布で水分を拭き取り、乾燥させる。
どれくらい変化があるかには、個体差がかなりあります。
まったく、変化が起こらない場合もあります。
失敗を避けるため、少しづつ様子を見ながら、やってみることをオススメします。
まずは、10円玉や、ケースの裏、ラグの内側等で試してみるのもオススメです。
製造元 | BERGEON |
商品番号 | 6767-F (細Y先、細I先) 6767-S (太Y先、太I先) 6767-SF (太Y先、細Y先) |
材質 | Handle : stainless steel points : hardened tempering steel |
サイズ | Ø 7 x 145 mm |
重さ | 27 g |
原産国 | スイス |
参考価格 | ¥3,630(税込) |
ケース3.経年変化をリセットしたい。
メーカーや修理店にて、磨きに出してください。
ただし、この場合では、今までの経年変化がリセットされます。
それと同時に、磨き終わりから再度、経年変化が始まりますので、ご注意ください。
〈参考〉「ケースについた指紋を取りたい」というものよくあるお悩みの一つ。
これは、ケースを触った際、指の汗や油がケースに残り、その部分だけ変色が進んでしまうもの。
ケースをリセットした際は、酸化被膜の形成されていないブロンズ表面が露出し、酸化変色しやすい状態となります。
指紋やムラを避けるためにも、ケースを磨いた後は、なるべく素手で触らず、触ってもすぐに拭き取るのがおすすめです。
ブロンズ時計のデメリットと注意点
デメリットとしては、
①傷つきやすい:加工性が良い反面、傷つきやすいというデメリットがあります。
とはいえ、金やプラチナよりは硬度が高いので、それほど神経質になる必要はないかもしれません。
②光沢を維持しにくい:経年変化を楽しめる反面、光沢を維持するのは難しい物質です。存分に経年変化を楽しみましょう。
③金属アレルギーの方は注意が必要:すず等を含みますので、要注意です。そのため、ほとんどのブランドで、裏ぶたにチタン等の金属アレルギーになりにくい材質が使われています。
〈緑青の危険性?〉日本では昔、緑青に毒性があるとされてきたようですが、昭和59年、厚生省(現厚生労働省)は、毒物・劇物取締法において「緑青は普通物」に相当すると判定しています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
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PANERAI 「Luminor Submersible 1950 3 Days Automatic Bronzo」Ref. PAM00671 | PANERAI 「Radiomir Bronzo」Ref. PAM00760 | TUDOR「BLACK BAY BRONZE」Ref. M79250BA-0001 | IWC「AQUATIMER CHRONOGRAPH EDITION “EXPEDITION CHARLES DARWIN”」Ref. IW379503 | Sinn「T50.GOLDBRONZE」 | BREITLING「SUPEROCEAN AUTOMATIC 42」Ref. N17375201L1S1 | Oris「DIVERS SIXTY-FIVE DATE」Ref. 01 733 7771 3154-07 8 19 15 | Bell & Ross「BR 03-92 DIVER WHITE BRONZE」Ref. BR0392-D-WH-BR/SCA |
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